このページでは自宅サーバーLinux構築するのに必要なハードディスクの仕様と性能について初心者/ビギナー向けに解説します。
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ハードディスクは壊れ易いものです

サーバー の構築で、一番選定が難しいのが ハードディスク でしょう。

ハードディスクは WBEL CentOS のシステムを含む、すべてのデータの格納庫です。ですから、ハードディスクのクラッシュや故障は最もダメージの大きいトラブルになります。

CPU マザーボード ホスト機 を構成する重要なパーツには違いありませんが、これらは故障しても新品に取り替えれば完全に元通りになります。

しかしハードディスクのトラブル場合は、一番大切な「システムとデータ」を一挙に失ってしまうことになりかねません。仮にバックアップを残してあったとしても、元の状態に戻すまでには大変な労力と時間が必要になります。

またハードディスクは、CPUやマザーボードと違って機械的に動作するパーツであるため、本質的に壊れ易いという宿命を背負っています。

ハードディスクは動作中、常に秒速3,000〜10,000回転という高速で円盤を回しつづけています。そしてその高速で回ることで発生するディスク表面の気流を利用して、ディスク表面から数ミクロンという高さに読み取りヘッドを「浮かせ」て動作しています。

このようにハードディスクとは、非常に高度な技術と繊細なバランスで動作している恐るべき装置です。

従って、ハードディスクには明らかに 「寿命」 があります。その長さは、 5年または5万時間 といわれており、これは、パソコンの他のパーツに比べてはるかに短いといえます。

もちろん、5年とか5万時間とかいうのはあくまで目安です。

それ以内ならちゃんと使えるとか、それを超えると壊れてしまうとか、そういうことではありません。早ければその日のうちに、運がよければ10年くらいは平気で動き続けるかもしれません。

そういうハードディスクにとって、「信頼性の危うさ」に更に拍車をかけているのは、凄まじい性能競争です。

ハードディスクはここ数年、コンピュータ専用の デバイス という位置付けではなくなってきています。

例えば家庭用ビデオデッキに代わる「ハードディスクレコーダー」の他、携帯用音楽プレーヤー、カーナビゲーションなど、これまでの CD DVD に代わる高速な記憶媒体として、通常の家電製品のパーツという位置付けで急速に需要が高まっています。

そこで、より一層の高速化、高容量化、そして低価格化への要求が高まっていて、メーカー同士がしのぎを削っているわけです。

そして、競争が激しい分野の製品に共通していえるのは性能向上のための新しい技術や仕様が次々に投入される結果、充分な動作検証が行われぬまま市販されて、その後に欠陥や不具合が見つかるケースが多くなることです。

そういう現状を踏まえると、WBELやCentOSでサーバーを運用する場合のハードディスク選びの最初のポイントは、

現時点での最新仕様、最大容量、最高速のものは避ける。

というところでしょうか。最新の製品は、市販可能なギリギリの調整が行われている可能性が高く、経験的にトラブルの割合も多いようです。

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容量あたりの価格の安いものがベター

当たり前の話ですが、 ハードディスク は容量の大きいもののほうが高額です。ただし、容量と価格は 比例しているわけではありません

下のグラフを見てください。これは2009年9月ごろのハードディスク1 GB あたりの価格を○印でプロットしたものです。

市販のS-ATAハードディスクの容量1GBあたりの価格
市販のS-ATAハードディスクの容量1GBあたりの価格

ハードディスクは、そのケースとコントローラー部分は、容量が変わってもあまり変化するものではありませんので、全体容量が増えるほど単位容量あたりの価格は安くなるはずです。

従って、本来このようなプロットを行うと、すべての○印は赤いラインに沿って並ぶはずです。事実、160GBから1000GBあたりにかけてはそのようになっているのが解ると思います。

歩留まり :原材料の使用量に対する製品量の率。例えば歩留まりが70%ならば、原材料の30%は製造時のロスか、不良品になってしまって販売できないことになります。従って、この30%分は製品の価格に乗せて売らなければ、赤字になってしまいます。まだ未成熟の製造技術による製品は大抵歩留まりが悪いため、大抵は割高になります。

ところが現実には、1500GB(1.5TB(テラバイト))、2TBという大容量になると、○印は赤いラインから離れ、逆に単位容量あたりの価格が上昇してゆくのが解ると思います。

もちろん、それは「最先端の技術を享受するための付加価値」や、「設備投資のための回収分の上乗せ」という見方もできます。しかしこれほど容量が大きくなってしまうと、どうしても歩留まりが悪く、その製品を売ってメーカーが利益を出すためには、価格を高く設定せざるを得ないというのが真相です。

つまりこの時点での、1.5TB、2TBというサイズのハードディスクは、技術的に良品率を高くできる水準に達しておらず、その中から出荷される製品も決して良品率が良いとは言えない、と判断できます。

したがって、安定性と長い寿命が要求される サーバー 用途の場合、製造技術が安定し、良品率が高いと思われる、

「単位容量あたりの価格が最も安い容量のもの」 を選ぶのがベターと考えられるわけです。つまりこの例でいえば、500GB〜1TBあたりが適当ということになります。

では逆に、容量の小さなタイプのハードディスクはどうでしょうか。

例えば 公開サーバー として大量の映像データを配信するためであるとか、あるいは LAN 内で使用する ファイルサーバー としても利用したいとか、そういう目的がないのであれば、80GBでもお釣がきます。

もちろんその場合には単位容量あたりでみれば割高になりますが、絶対的な価格は当然安くなりますから、そういう選択肢も悪くはありません。

容量の大きなハードディスクほど、ディスク表面のデータ密度が高く、一度に読み書きできるデータ量が多くなります。これも大容量ディスクのアドバンテージのひとつです。

ただ、容量の小さなハードディスクは、 「読み書き速度が遅い」 という欠点があります。また、 クライアント機 で使用する場合と違って、 LinuxOS で構築された サーバー機 のハードディスクは、容量が足りなくなってきたからといって WindowsOS MacintoshOS にように、システムを他のハードディスクに移動したり、追加したり、という作業が簡単にはできないという事情があります。

従って、例えば一般的な Webサーバー メールサーバー の運用以外に計画がなくとも、幾分大きめのハードディスクを準備しておくべきではないでしょうか。

経験的に言えば、サーバーの運用を始めると、必ず 「あれもやってみたい、これもやってみたい。」 という具合に 「技術的欲求を満たしたくなるもの」 です。そうなると最初に搭載していたハードディスクの容量が小さいと、ほどなく載せ換えなければならなくなることは間違いありません。

決して高いものではありませんから、ハードディスクは余裕をもった容量を搭載しておくと いろんな意味で 安心、というわけです。

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ハードディスクの規格

ハードディスク には ホスト機 の本体に内蔵してしまうタイプと、 USB IEEE1394 などでホスト機に外付けするタイプがありますが、特別な理由がない限り、内蔵型を使用します。主な理由は 外付けHDDの接続仕様について の説明のとおりです。

内蔵型ハードディスクは、現在大きく分けて三種類の接続規格があります。

現在ほぼ主流となっているのは S-ATA(Serial-ATA) と呼ばれる規格です。従来のP-ATAやSCSIが、複数の結線上を並行してデータを送るパラレル方式であるのに対し、S-ATAは単独の線上を一列にデータを送ります。

これはパラレル方式によるデータ転送速度に限界が見え始めたために作られた新しい規格ですが、現行の マザーボード ではほぼ100%サポートされています。

P-ATAからS-ATAの過渡期に発売されていたやや古いマザーボードの場合は、両方規格をサポートして最低でも排他的に使えるようになっているものもあります。

P-ATA規格とよく混同される用語に、 IDE (Integrated Drive Electronics)や、 E-IDE (Enhanced Integrated Drive Electronics)、というものがありますが、これらは主にハードディスクの接続に主眼が置かれた規格です。P-ATAはこれに転送速度のレベルや CDドライブ のサポートなどを含めた包括的な規格なのですが、世の中では「IDEもP-ATAも同じようなもの」として扱われています。それでも別に困ることはないので、それはそれでいいんじゃないかと思います。

これよりもう少し古いマザーボードに搭載されているのは、 P-ATA(エーティーエー) と呼ばれる規格のものです。P-ATA(Parallel AT Attachment)規格は長くパソコンの内蔵用ハードディスクの規格として使われてきたものですので、 LinuxOS でも標準の規格としてサポートされています。

P-ATAは既に新規のパソコンやサーバーに採用されるケースはほとんど見られなくなっていて、現在販売されているこの規格のハードディスクは、既存機の増設や交換のために製造されていると考えて良いでしょう。

また、P-ATAよりもずっと以前から サーバー機 の標準的なハードディスクとして使用されているのが、 SCSI(スカジーまたはスクージ) と呼ばれるタイプです。これはP-ATAが登場する以前は、パソコン用としても標準の規格だった訳ですが、コントローラーの部分が高価であるため、安価なP-ATAの普及とともにパソコンには使用されなくなりました。ただ、SCSIハードディスクは、ディスクのコントローラー自身が独立していて、サーバー機自身への負担が少ないという特徴があるため、本格的なサーバー機では現役の規格です。

さて、P-ATAは既に主流の座を降りた規格ですから、手持ちのP-ATAハードディスクやマザーボードのP-ATA(IDE)インターフェースを生かしたいという理由がなければ積極的に薦める理由はありません。

ハードディスクは年々大容量化と低価格化が進んでいますが、P-ATAに関して言えばメーカー側も開発に積極的ではないため、大容量化も低価格化もストップしています。現在既に、同じ容量ならP-ATAよりS-ATAのほうが安価に大容量なハードディスクが入手できるようになっていますから、両方の規格を選択するようなケースではS-ATAをファーストチョイスにするべきでしょう。

SCSIはP-ATAに比べて高速で安定性が高く、S-ATAに比べて歴史が長く信頼性が高いので、より高性能な サーバー を目指すのであれば考慮してもいいでしょう。これもLinuxOSであれば特別な デバイスドライバ 不要でほぼ間違いなく動作します。

ただし問題は価格です。

通常のマザーボードはSCSIのインターフェースを内蔵していませんから、 PCIスロット にSCSIインターフェースカードを取り付けることになります。

また、ハードディスク自身も、同じ容量ならばP-ATA、S-ATAの5倍近い価格になりますので、80ギガバイトくらいのSCSIハードディスクを買う予算があれば、高価なルータやパソコンが一台買えてしまいます。よほど潤沢に予算があれば別ですが、そういう無駄遣いはやめるべきでしょう。

S-ATAは現在主流の規格ですが。P-ATAのように「こなれた」規格ではないので、リリース時期の古い WBEL3 CentOS3 では確実に動作するという保証はなく、使用できる場合でも、 BIOS から ハードウェア の設定を変えたり、デバイスドライバを インストール しなければならない可能性もあります。

しかし新しい カーネル が採用されているWBEL4やCentOS4、CentOS5、CentOS6ではまず問題なく使用できるようです。

P-ATAハードディスクの仕様に記載のある、 ATA100 とか、 ATA133 とかいう数字はインターフェースの理論的な最大転送速度を示した数値です。例えば、ATA100の場合は「秒速100メガバイト」という意味になります。が、それは「秒速100メガバイトでデータが行ったり来たりできますよ」という意味であって、ハードディスクの読み書きの速度ではありませんのでお間違えのないように。規格がATA133でも、ハードディスクそのものの読み書き性能が悪いせいでATA100のハードディスクより遅いことはよくある話です。

世の中でこれだけ広まっているP-ATA規格は、すぐに消滅することはありませんが、現実に世の中のハードディスクの汎用接続規格はS-ATAにほぼ収斂されてきていますから、ハードディスクの性能向上や容量アップなど将来的なことを考えるのであればS-ATAという選択がベターです。

サーバーはネットワーク接続でデータを出し入れするものですが、ネットワークによる転送スピードは現在普通に入手できるATAハードディスクの読み書きスピードよりはるかに遅いため、現在のところ速度的なメリットではS-ATAの優位性はあまりありません。従って、データの転送速度、という側面だけを考えるのであれば、無理にP-ATAからS-ATAに変更しなければならない理由はないと思っていいでしょう。

また商用サーバーを中心に最近徐々に普及を始めているのが、 SAS-SCSI(Serial Attached SCSI ) という規格です。

これはSCSIとS-ATAの良さを融合させたハードディスクの接続規格で長時間の連続稼動を目的として開発されたものですが、価格が下がってくれば数年後にはサーバーのスタンダードになるかもしれませんので注目したいところです。

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その他細かいこと

ハードディスク は、ディスクの回転速度は速いほうが読み書き速度も速くなります。ですが、ディスクの回転速度が速いほど騒音も大きく、熱を持ちやすく、消費電力も大きくなります。

rpmは、"revolution per minute"の略で、一分間あたりの回転数を表します。

P-ATA、S-ATA規格のハードディスクを選ぶ場合は、普通5400rpmか7200rpmのものを選ぶことになりますが、連続稼動が前提の サーバー機 の場合、当然オススメは5400rpmのものです。しかし実際には5400rpmの製品は流通量が少なく、とくに容量の小さい80GBや120GBではほとんど見当たらなくなっています。適当なサイズ、価格のものが見当たれれば5400rpmを選び、そうではない場合に7200rpmを選びましょう。

ノートパソコンよりもっと小さな「サブノート」用に、2.5インチサイズより更に小さい 1.8インチ という規格もありますが、これは非常に高価で、一般的に手に入るとは言い難いのでここでは触れません。

また、普通に入手可能なハードディスクには、 デスクトップ用の3.5インチ サイズと、 ノートパソコン用の2.5インチ サイズがあります。

ハードディスクの例(P-ATA 3.5インチと2.5インチ)
ハードディスクの例(P-ATA 3.5インチと2.5インチ)

一般的に使用される3.5インチサイズに比べ、2.5インチサイズは容量あたりの価格が2〜3倍程度と高価で、読み書き速度は半分程度と性能も低いので、あまりオススメできるものではありません。ただ、消費電力の少なさと静粛性の高さでいえば、3.5インチサイズより サーバー 向きと言えるかもしれません。

2.5インチサイズのハードディスクは、サーバー構築のためのわざわざ購入するには割に合わないものですが、例えばお手持ちのノートパソコンのハードディスクを大容量のものに交換して遊んでいるものがあるとすれば、サーバー機用に利用するのも悪くはないでしょう。ただし、3.5インチサイズと2.5インチサイズとでは接続するコネクタの形状が違いますので、そのための 3.5インチ→2.5インチ変換プラグ は別に調達する必要があります。

パッケージ品のユーティリティソフトは、ほとんどがWindows用なので、 WBEL サーバーや CentOS サーバーにとっては意味のない付属品となります。ただ、保証対象外ながら、 LinuxOS のハードディスクのバックアップなどに使えるツールが付属していることもあります。

なお、市販されているパソコン内蔵用ハードディスクには、パッケージ販売されているものと、パッケージ無しでバルク販売されているものがあります。

当然、パッケージ販売されているもののほうが2〜3割高額になります。また、バルク品と違って、取り付けビスや金具のほか、いろいろなディスクユーティリティソフトが付属しているのもパッケージ販売の特徴です。もちろん、アフターサポートも充実しています。

バルクで買った\10,000のハードディスクと、\13,000で買ったパッケージ品のハードディスクが、全く同じ製造元の全く同じ製品だったというケースは珍しいことではなく、むしろ「あたりまえのこと」というのがホントのところです。

しかし実際には、どちらの方法で販売されていても、ハードディスクそのものは同じものです。ハードディスクのような機械的な精密機器は、どこでもここでも製造できるような代物ではないので、製造元をたどると数社程度になってしまいます。従って、パッケージ販売されているハードディスクはほとんどの場合がOEMで、販売元と製造元は異なる場合のほうが多いようです。

ハードディスクは初期不良が比較的多いので、バルク品を購入するときは販売店に「初期不良の時の対応」について詳しく説明を聞いておきましょう。大抵の場合は

一週間以内の不良は店頭で返品、交換。それ以降はメーカーに修理依頼します。

というパターンですが、メーカー修理になると一ヶ月程度は待たされることになりますので注意が必要です。

その点パッケージ品は、販売店が迅速に対応できないケースでも、販売元が比較的素早く返品、交換に応じてくれますから安心です。

パッケージ品とバルク品の値段差は、この「アフターサポート」にあると思って間違いはありません。私見ですが経験的にはどちらかといえば、多少値段は高くともパッケージ品を利用するほうが「割に合う」ような気がします。

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